デジタル社会がもたらすマイナス面
タブレットやスマートフォンの普及、交流サイトや各種アプリの普及により、何時でも何処でもリアルタイムに情報アクセス、情報共有が出来るデジタル社会が加速している。 同質なコミュニティは極端な方向に進むシカゴ大学のキャス・サンスティーン氏によると、 オンラインでのコミュニケーションがつながりを壊すデジタルでの交流を数十年研究してきた社会学者で臨床心理学者のシェリー・タークル氏によると、 QLP(Quantitative Legal Prediction:定量的法予測)「QLPとは映画マネーボールで描かれた野球における統計分析のようなもので、その弁護士版のプロセスである」 |
2018年6月追記 上記ブログ記事で、企業におけるITの利用が主にプロセス・イノベーションに利用されてきたことを記載した。これによって人件費コストの削減は進むが、新たな雇用の創出は望めないことを記した(新たな雇用を生み出すのはプロセス・イノベーションではなく、プロダクト・イノベーションである)。 ITを活用するユーザー企業の団体である日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が、「企業IT動向調査2018」を発表した。これによると、「IT投資で解決したい中長期的な経営課題」のトップは、「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」で27.3%(2017年度調査から5.8ポイント増加)となっている。 近年、労働力不足やホワイトカラーの生産性向上、あるいはワークライフバランスなどが声高に叫ばれ、ITを業務プロセスの効率化に利用する傾向が益々強まっている。 業務プロセスの効率化に資する技術のなかで今一番ホットなのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)だろう。IT系のメディアを見ていても、RPAの事例や、RPAを導入する際の注意点、などの記事が随分と増えている。 |
2019年2月追記 同調圧力 「宝くじで1億円当たった人の末路」(鈴木信行、日経BP社)に「同調圧力」に関する指摘がある。 日本は極めて同調圧力(みんなと同じことをしなければならないというプレッシャー)が強い。諸富祥彦氏は、この理由の一つに、多くの人が小学校高学年から中学校にかけて体験する集団生活があるという。 クラスの中はいくつかの”排他的集団”に別れ、子どもたちはいずれかの組織に属さなければ平和な学校生活を送れない。安定して集団に属するためには、とにかく周りと同じであることが要求される。周りと違うとどんなひどい目に遭うか、この時期多くの人は無意識のうちに体に叩き込まれて青年期を迎える。同調圧力は人々のストレスになっている。 さらにこの同調圧力、群れたがる気質が企業の生産性を阻害する要因にもなっている。日本の企業は無駄な会議が多いが、これは会議や打ち合わせと称して群れること(責任を分散すること)を好むからだという。みんなが同調していたら革新的なアイデアなども生まれてこないだろう。 SNSなどのネット上のサービスを利用する人が増えたことで、この同調圧力が強まっているという。ネット上にも多数の排他的集団が形成され、ある集団に属する人はその集団の考え方に同調するようになる、ということだろう。先に引用した「同質なコミュニティは極端な方向に進む」と同じ理屈であるが、これが現代の日本(文化)の特徴(欠点)であるという指摘は重要だ。 |
2019年5月 追記 デジタル社会がもたらす負の側面に関して、他の書籍からの引用を追記する。 ●文脈的知識の欠落 「クラウド時代の思考術」(ウィリアム・パウンドストーン、青土社)に以下の指摘がある。 「知識を知能へ変化させるためには、常に文脈を捕捉することが必要である。インターネットの知識が危険なのは、文脈が完全に剥ぎとられていることだ。」 少々解りづらい説明だが、(私が思うに)インターネット上の知識が断片的であることを指摘しているのだろう。例えば、ある言葉(概念)を理解するには、それと関連する概念や、歴史的背景、文化的背景なども理解していかないと体系的で正確な知識(知能)にはならない、ということだろう。 ●合理的無知 ●脱感作効果と共感力低下 ●賃金格差の拡大 ●「アナログの逆襲」(デイビッド・サックス、インターシフト) |