2016年 4月

京王電鉄、私鉄リレーウォークからも手を引く?

以前に記載したとおり、2015年10月、京王電鉄が足掛け19年続いた「京王沿線ウォーク」を中止した。理由は、歩行者のマナーが悪いために、歩行誘導員や交通整理員などの配置でコストトが嵩むから、であった。
そしてとうとう、京王電鉄は「私鉄リレーウォーク」の主催からも手を引くことになったようだ。
私鉄リレーウォークは今年(2016年)で18年目を迎えるウォーキングのイベントで、昨年までは、西武鉄道、小田急電鉄、東京急行電鉄、京王電鉄の4社で開催(共催)していた。
今年の案内を見ると、主催者から京王電鉄が外れ、3社での共催になっている。また、昨年までは年4回開催していたものが、今年は年3回の開催になっている。(4社→3社と、4回→3回には直接的な因果関係はないと思うのだが・・・?)
私鉄リレーウォークから京王電鉄が手を引いた理由を私は知らない。
そもそも京王沿線ウォーキングを中止したときの理由を、京王電鉄は、「当社単独での継続が困難になったから」だとしている。これは誘導員の配置などにかかるコストが、1社単独では負担出来ないレベルにまで高まってきた、という意味だと思う。
そうであれば、1社単独ではなく、4社が共催する私鉄リレーウォークなら継続は可能ではないのか、という疑問が湧く。実際のところ、今年は3社共催で継続することが決まっている。
そうすると、京王電鉄が私鉄リレーウォークからも手を引いた理由は、コスト以外にあるのだろうか。参加者の人数を制限せず、参加費も無料のウォーキング・イベントは、参加する方にとっては自由気ままな分、周辺住民からの苦情やトラブルを招きやすく、イベントのやり方自体を根本的に考え直す必要がある、と考えたのかもしれない。
その一方で、やはり理由はコスト削減ではないか、という可能性も考えられる。
4月13日に気になるニュースが報じられていた。国土交通省が全国の鉄道会社に対して「開かずの踏切」や「事故が多発している踏切」の改善要求を出した、という記事である。これは、改正踏切道改良促進法の施行を受けてのものである。
東京都内で指摘があったのは全部で27ヶ所で、そのうちのなんと25ヶ所が京王線である。(これはかなり驚きの数字である)
ここから想像できることは、京王電鉄は短期~中期計画で踏切を回避するための設備投資に迫られるであろうということである。実際、京王グループの中期3カ年経営計画を見ると「2020年以降においては京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の完了など、当社の収支に大きな影響を与える案件も控えております」と書かれている。
立体交差事業は既に計画に織り込み済みかもしれないが、計画のさらなる前倒しを迫られるということも考えられる。そうとなれば、当面の間、不要な費用は極力削減する方針であってもおかしくはない。

とりあえず西武、小田急、東急はリレーウォークの継続を決めたわけだが、参加者のマナーの問題がなくなったわけではない。これらの電鉄会社は、それぞれ1社単独のウォーキング・イベントも開催しているようだから、苦情やトラブルはそれほど多くないのだろうか?
都市部や住宅街を避けてコースを設定していれば、それほど苦情は来ないのかもしれない。いずれにしろ、高齢化が進みウォーキングを楽しむ人が増えているから、多くの人が参加するイベントは、そのあり方を再考する時期にきているのだろう。

2017年追記:
西武、小田急、東急の3社で継続した私鉄リレーウォーク(その後「3社合同ウォーク」に名称を変更したようだが)も結局のところ終了することになった。
2017年1月、3社の発表によると「昨年実施した第18回をもって終了とさせていただきます」とのことで、終了の理由を「周辺道路の環境変化など」としている。
この終了理由は今一つ釈然としないが、周辺住民からのクレームもあったのだろう。
さらに、国内需要が縮小する鉄道会社にとって、ウォーキング・イベントで得られる収益よりもコスト(誘導員や交通整理員の人件費)の負担が大きく、イベント自体の経済的な魅力が低下しているのだろう。いずれにしろ都市部や郊外で開催されるウォーキング・イベントは曲がり角を迎えているようだ。

 

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