2052年の予測 その1:人類は地球の天敵なのだろうか?
自然界の動物にはそれぞれ天敵がいるが、人間には天敵がいない。いや、人間の天敵はウィルスである。 という類の話をよく聞くが、そもそも「人間は地球にとっての天敵ではないだろうか」と思わせることが、ヨルゲン・ランダース「2052今後40年後のグローバル予測」には書かれている。 以下、本書からの引用部分は「」で記載する。 今後40年に起きる気候変動を考えると、今年(2013年)顕著であった異常気象などは、まだまだ序の口のように思えてくる。 |
2018年8月 追記:「危険な暑さ」 2018年の夏は記録的な猛暑となった。 7月23日、埼玉県熊谷市など4地点で40度以上の最高気温を記録、特に熊谷市は国内の観測史上最高を更新する41.1度になった。また、東京都青梅市では都内初の40度超えとなる40.8度を記録した。 気象庁は、命に危険が生じる暑さが続き、もはや災害と認識するべきだと発表した。これ以降、テレビの天気予報で「危険な暑さ」という表現を多く耳にするようになった。「危険な暑さ」などという表現は(私の知る限り)過去には無かったことである。 連日の猛暑で、熱中症により救急搬送される人も増えた。読売新聞デジタルによると、7月24日時点で、熱中症のために8府県で13人が死亡。8都県で18人が重体となり、搬送者は全国で2,549人に上った。 2018年の猛暑は日本だけではない。 国連の世界気象機関(WMO)によると、2018年6月~7月は北極圏を含め世界的に気温が上昇し、異常な猛暑に見舞われている。ノルウェーとフィンランドの北極圏で7月、気温が33度に達した。スウェーデンでは約50件の森林火災が発生した。 北アフリカのモロッコとアルジェリアでは43.4度、51.3度とそれぞれ最高気温を更新。カナダでは東部のケベック州で日中の気温が35度を超える日が続いた。 WMOは「温暖化ガスの増加による長期的な地球温暖化の傾向と関係している」と指摘している。「人新世(アントロポセン)」: 人新世に関して、8月20日の朝日新聞に桑田学氏の談話が載っていた。約1万1700年前から続く「完新世」が終わり、「人類の時代」を意味する新しい地質年代に入ったのではないか、と世界の研究者の間で議論されているという。 世界規模の気候変動の責任は、人類一般の責任というよりは、西洋近代の資本主義と切り離せない点から「資本新世」と呼ぶべきである、との主張もあるそうだ。 |
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2019年5月 追記:「地球温暖化や環境問題をめぐる最近の動向」 近年、SDGs(持続可能な開発目標)や、パリ協定(今世紀末までの気温上昇を産業革命前と比べ2℃未満に抑えることを目標とする)に対する関心が高まっている。 「ESG投資」という言葉も最近よく話題になる。ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字で、気候変動対策や省エネなどに取り組んでいる企業に対して積極的/選択的に投資するものである。企業も環境問題に対して積極的に取り組むことが求められている。 地球温暖化対策としては、CO2の排出量を抑えるだけでなく、大気中のCO2を回収する研究や、これを実証するスタートアップ企業も出てきている。一方、CO2の排出に伴う地球温暖化に関して、懐疑的な見方をする人もいるようだ。少々古い書籍だが、「科学101の未解決課題」(ジェームス・トレフィル 講談社ブルーバックス)で、著者は懐疑的な意見を紹介している。 一般に、地球の気候や平均気温は常に変動するものであり、数百年、数千年にわたって数度程度の変化はごく普通のことである。懐疑派は、温暖化と人間の活動の間の因果関係を実証できるのかを疑っているようだ。 人間の活動とCO2の排出量、これらと温暖化との間に相関関係があったとしても、その因果関係までを実証できるのか、という問いかけのようだ。 このような懐疑的な見方は、マスコミで取り上げられることがほとんどない(なんでもかんでも地球温暖化と結びつけるのは、根拠の明瞭性という点で、それはそれで問題なのかもしれない)。 地球温暖化が進行することで絶滅種が増えるという問題も、度々ニュースで報じられる。しかし、もともと人類は地球という惑星の歴史上、もっとも危険な種であることが指摘されている。 地球温暖化以外の環境問題として、最近ニュースで取り上げられることが増えているのがマイクロプラスチックの問題である。マイクロプラスチックとは、海に流れ着いたプラスチックごみが紫外線や風波などで細分化され、直径5ミリ以下のプラスチック片になったものである。これが魚介類に取り込まれ、これを食する動物や人間にも取り込まれるリスクがある。 |
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2019年8月 追記 新海誠監督によるアニメーション映画「天気の子」が7月に公開された。作品の後半(東京の下町や都心部までが海水に侵食される)、新聞記事の見出しに「アントロポセン」の表記があることが確認できる。このことから、人類による環境破壊に対する戒めが本作品の一つのテーマだと推測できる。アントロポセンという用語が社会に認知されてきている、と言えそうだ。 |
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2019年10月 追記:「学校ストライキ」 ウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが2018年8月、地球温暖化に対する政府の無策に抗議するため、一人で学校を休んでストックホルムの国会議事堂前に座り込み、気候危機の影響を受けるのは若者だと訴えた。この抗議運動はSNSを通じで世界に拡散し、世界各地の高校生や大学生が「未来のための金曜日」と称して、毎週金曜日に授業をボイコットする「学校ストライキ」が始まった。 2019年9月の国連気候行動サミットを前に、若者が政治家に気候危機への対策を求める世界一斉デモが2019年9月20日、163か国・地域で行われた。(出典:朝日新聞2019年9月21日) 地球温暖化に対する若者の抗議活動は世界各地で広がっているが、日本ではまだまだ関心が低いようだ。 |
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2020年1月 追記:ティッピングポイント (転換点) 地球温暖化が一定のレベル(臨界点)を超えると急激な変化が起き、不可逆性を伴うような大規模な変化が生じる可能性があるという説(ティッピングポイント:転換点)が注目を集めているそうだ。 転換点へと進む事象として、 ・グリーンランドや南極の氷床の融解 ・アマゾンの熱帯雨林の干ばつ ・大西洋の海洋循環の減速 ・オーストラリアの珊瑚の大規模な白化 ・永久凍土の融解 など、9つの事象があると英ネイチャー誌が報じている。 |
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2020年9月 追記:ティッピングポイント (転換点) ロシア・シベリア地域は2020年1月~6月、東シベリアの極寒の町ベルホヤンスクで気温が38度に達するなど、異常な高温を記録した。(2020年8月20日付け朝日新聞) この高温の原因は、地球温暖化にあることが確認されたという。(このような高温は、人為的な気温上昇が無ければ8万年に1回未満しか起こらない現象だという) 欧州の気象当局や大学などの研究チームは、温室効果ガスの排出を急速に減らさなければ、今世紀末までにこのような現象が頻繁に起こり可能性があると警告している。 |
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