河口慧海「チベット旅行記」
明治33年(1900年)、正法の仏典を求めて鎖国政策をとるチベットに単身で入国した僧がいた。その人が河口慧海であり、日本人として初めてチベット入りに成功した人物である。
チベットが外国に門戸を開いたのは1980年代のことだから ...
瀬戸内晴美「遠い声」
瀬戸内晴美「遠い声」は、大逆事件(幸徳事件)で死刑に処せられた菅野須賀子(スガ子、スガ)の物語である。
須賀子は大逆事件で裁かれた26名のうちで唯一の女性である。物語は、赤旗事件の後から死刑執行までの間を中心に、須賀子を取り巻く男た ...
須賀子は大逆事件で裁かれた26名のうちで唯一の女性である。物語は、赤旗事件の後から死刑執行までの間を中心に、須賀子を取り巻く男た ...
水上滝太郎「山の手の子」
水上滝太郎「山の手の子」(青空文庫)は、主人公である「私」が20年前の幼少期の思い出を綴る形で描かれている。
作者がこの小説を発表したのは明治44年(1911年)とあるから、作品に描かれている品川の町の風景は明治時代の中頃~後 ...