2012年 12月

ISO21500は、プロジェクトマネジメントの包括的なガイダンスを提供するものであり、プロジェクトマネジメント活動のための「概念」、および「プロセス」について、高次のレベルの説明を提供している。
高次のレベルであるから、詳細までは言及していない。先に記載の通り、コンピテンシーや、技法、ツールは規定の対象外である。また、認証も含まれていない(即ち、規格への適合を審査するために使われるものではない)。実際、この規格書(ガイドライン)は、全体で32ページとコンパクトである。
プロジェクトマネジメントは、ポートフォリオマネジメント、プログラムマネジメントの下部構造に位置付けられている。
ポートフォリオは、事業ポートフォリオのことである。企業が将来の成長に向けて、事業の組み合わせと、経営資源の配分を決める経営戦略的な部分である。
プログラムマネジメントは1つの事業ドメインの位置付けと考えられる。ポートフォリオの下部構造であるから、事業戦略レベルの部分だといえる。
プロジェクトマネジメントはプログラムマネジメントの下部構造であるから、1つの事業領域の中の製品企画プロジェクトや、販売プロジェクト、システム構築プロジェクトなどのイメージであろう。

 

プロジェクトマネジメントの構造

ISO21500では、5つのプロセスグループ(下表の列)と10のサブジェクトグループ(下表の行)のマトリックスの中に39のプロセスが定義されている。
プロセスの名称を見ればおおよそどのようなことを実施するかは想像がつくと思うが、特徴的な点として、
・ステークホルダーの特定、管理がプロセスとして定義されている
・学んだ教訓の収集(Collect lessons learned)がプロセスとして定義されている
・資源サブジェクトグループは、人的資源だけでなく、施設や機械、インフラ、ツールなどが含まれている
があげられる。

立上げ

計画

実行

コントロール

終結

統合

プロジェクト憲章の作成

プロジェクト計画の作成

プロジェクト作業の指揮

プロジェクト作業のコントロール、

変更のコントロール

プロジェクトの終結、

学んだ教訓の収集

ステークホルダー

ステークホルダーの特定

ステークホルダーの管理

スコープ

スコープの定義、

WBSの作成、

アクティビティの定義

スコープのコントロール

資源

プロジェクトチームの結成

資源の見積、

プロジェクト組織の決定

プロジェクトチームの育成

資源のコントロール、

プロジェクトチームの管理

タイム

アクティビティの順序付け、

アクティビティ期間の見積もり、

スケジュールの作成

スケジュールのコントロール

コスト

コストの見積、

予算の編成

コストのコントロール

リスク

リスクの特定、

リスクの評価

リスクへの対応

リスクのコントロール

品質

品質の計画

品質保証の実施

品質のコントロール

調達

調達の計画

サプライヤの選定

調達の管理

コミュニケーション

コミュニケーションの計画

情報の配布

コミュニケーションの管理

 


(補足)
ISOにはTC258が設置され、以下の作業部会でそれぞれの標準化に向けた検討と審議が進められている。
2014年9月には、京都において第5回ISO/TC258の年次総会が開催される。

  1. WG1:Project and Programme Portfolio Management
  2. WG2:Governance of Projects,Programmes and  Portfolios
  3. WG3:Vocabulary
  4. WG4:Programme Management

冒頭に記したポートフォリオマネジメントは、2015年7月1日、ISO21504として制定された。
ガバナンスに関しては、ISO21505としての標準化に向けた検討・審議が進められている。
同様に、プログラムマネジメントは、ISO21503としての標準化に向けてWG(Work Group)04で検討、審議が進められている。

 


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