個人事業主の白色申告と記帳ソフト
平成26年1月から、白色申告をする個人事業主は「全て」、「記帳」と「帳簿書類の保存」が必要になった。 これまでの記帳・帳簿等の保存制度の対象者は、白色申告を行う人のうち前々年分あるいは前年分の事業所得等の金額の合計額が300万円を超える人だけであった。 これが、事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずる業務を営む「全ての人」が対象になったわけである。 記帳する内容は、売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等となっている。 記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっている。 このような背景からか、昨今、無償の「記帳ソフト」が増えている。 無償ソフトを提供する事業会社としては、いずれは有償版の記帳ソフトに、さらには会計ソフトに移行してもらう狙いがあるのだろう。 記帳ソフトを利用する側(個人事業主)から見ても、どうせ記帳するなら、いずれは特別控除などの恩恵を受けられる青色申告に移行したいと考える人も多いのではないだろうか。 この種のソフトを「機能面」から大まかに分類すると、 ①簿記の知識がなくとも記帳ができる「記帳ソフト」 ②青色申告にも対応できる(正規の複式簿記に準拠した)「会計ソフト」 に分けられる。 また、「システム形態」で分類すると、 (a)クラウド型 利用者側はブラウザだけがあれば良く、インターネット経由で事業会社のサーバーに接続する形態。 システムが提供する機能とデータは事業会社のサーバ上に存在する。 (b)端末アプリ型 ソフトウェアを端末にインストールして利用する形態。 システムが提供する機能とデータは、端末側に存在する。 になる。 さて、各種製品の中からどれを選ぶのか? いわゆるフリーウェアや、シェアウェアと呼ばれるソフトは、「Vector」などのWebサイトで検索すると多くの製品が出てくるのだが、大手の製品で①の記帳ソフトに分類されるものは、弥生の白色申告、JDL IBEX出納帳Et、free(フリー)といったところであろうか。 記帳ソフトの機能面にふれておく。製品の多くは簿記の知識がなくとも入力できるように配慮された、シンプルな入力画面である。 収入(お金のIN)と支出(お金のOUT)に分けてデータを入力する構成で、現金主義会計に近い感覚である。 |
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