2015年 8月

アマゾンと、アメリカの映像配信サービス会社「Netflix」が、2015年9月から日本で映像配信(動画配信)サービスを開始することが報じられた。
Netflixは、インターネット接続できる環境があれば、PCやスマートフォン、タブレットなどからオンデマンドで映像を視聴できるサービスである。(Netflix対応のテレビでも視聴可能)
Netflixは既に50カ国以上でサービスを展開しており、ユーザー数は6500万人を超えるという。日本ではソフトバンクがNetflixと業務提携して、申し込み受付から請求までをまとめて提供する。
料金プランは、ベーシックプランが月額650円(税別)、スタンダードプランが月額950円(税別)、プレミアムプランが月額1,450円(税別)である。
アマゾンジャパンが提供するのはプライム会員(有料会員)向けのサービスで、「プライム・ビデオ」という名称の映像配信サービスである。アマゾンやNetflixと同じように、オンデマンドで映像配信を行っているサービスには、dTV(NTTドコモ)、hulu、楽天SHOWTIMEなどがある。

日本では(NHKを除き)テレビは無料で見られるという感覚が根強い。従って、有料映像配信サービスの競合をテレビだと捉えると、「お金を払ってでも見たいコンテンツ」がよほど充実していないと広く普及するのは難しいと思われる。
この「お金を払ってでも見たいコンテンツ」が戦略上の重要成功要因であるという点は、BSやCSの有料放送でも同じである。BSやCSの有料放送と異なる点は、オンデマンドでコンテンツが提供されるという点である。
一方、競合相手はテレビではなく、スマートフォン向けに動画や映像を配信しているサービスと捉えるとどうだろうか?
この場合のターゲットユーザーは、10代~20代の若者や、通勤途上でスマートフォンを愛用している20代~40代のビジネスマン、ビジネスウーマンと考えられそうだ。
「若者のテレビ離れが進んでいる」と言われるご時世、映像・動画をスマートフォンで見る人は、若い世代を中心に結構多いのかもしれない。
しかしその場合であっても、ネット上には無料で動画・映像を配信するサイトが数多く存在するから、やはり「お金を払ってでも見たいコンテンツ」が充実していることが普及のカギを握っていることに変わりはなさそうだ。

テレビやWeb上の動画サイトなど、無料でコンテンツを入手できるサービスが既に市場に浸透している場合、あらたに有料のサービスを普及させることは極めて難しい。
端的な例がWeb上の新聞コンテンツである。Web上の新聞コンテンツは、当初、紙の新聞を補うような形でサービスが始まった。はじめはほぼ全ての新聞社が無料でサービス(ニュース・コンテンツ)を提供していた。
その後、デジタル向けの独自記事が配信されたり、デジタルに特化したサービスが充実していく中で、次第に有料化の動きが出てきた。それでも、コンテンツの全てが有料化されたわけではない。まだ多くのコンテンツは無料で見ることが出来る。一度無料で始めたサービスを、途中から有料化していくのは難しい。

タダだと思われていたものが、長い時間をかけて有料になった(有料化に成功した)ものもある。
水やお茶である。かつて日本では水やお茶はタダ同然だと思われてきた。しかし昨今では水のペットボトルやお茶のペットボトルを購入するのは、日本でも当たり前の風景になった。
家庭で使う飲料水に関しても、ウォーターサーバーなどで購入する人が増えているようだ。もちろん水道水で十分だと考える人も多数いるだろうから、これらは水に「こだわり」を持った人から支持されているのだろう。

テレビの視聴率は、昔と比べると全体に低下しているようだ。視聴率のトップ10を見ると20%を超えるものは稀(まれ:NHKの朝ドラのことではない)で、人気番組であっても大抵の番組は10%台である。
これは(テレビ離れと)、映像コンテンツに対するニーズが多様化しているためだと推測できる。テレビは多チャンネル化が進み、映画専用チャネル、海外ドラマチャンネル、スポーツ専用チャネル・・・など、マーケットが細分化されてきている。
さらに、先ほども触れたように、テレビではなく、スマートフォンなどの媒体で動画や映像を見る人もいる。
このように考えていくと、有料の動画配信サービスが普及するためにはキラーコンテンツが必要であり、ジャンルなども市場を細分化したうえで、こだわりを持った人たちをターゲットユーザーにしていく必要がありそうだ。
Netflixは、自らコンテンツ製作も手掛けており、過去の代表作には「ハウス・オブ・カード」がある。アマゾンもNetflixもコンテンツの品揃えには自信を覗かせている。

日本の市場を考えるとき、今ひとつ考えておく必要がある特徴が高齢化の進展である。今後日本では益々高齢者が増えていく。高齢者がスマートフォンを操作して映像・動画を視聴している姿は想像し難い。
高齢者もターゲットに含めるのであれば、画面が大きく、操作が単純なことがポイントになりそうだ。そう考えると、テレビのスマート化が1つの解になりそうだが・・・・どうなのだろうか。(PCやスマートフォン、タブレットの映像・動画をテレビに配信(キャスト)する製品にクロームキャスト(Chromecast)がある。ただし、家庭内無線LAN環境が必要で、操作も単純とは言い難い。)

雑感のINDEX

Update

2015年8月
« 7月   9月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

Navigation