京王沿線ウォーキング最終回
京王沿線ウォーキングは今後の開催を中止するとの突然のアナウンスがあった。アナウンスは現地集合場所にて主催者側からなされた。 そのようなわけで、2015年度第4回の「桜上水~笹塚(神田川編)」(2015年9月19日催行)が予期せぬ最終回となった。 中止になった理由は、年々参加人数が増え、参加者の歩行マナーや運営に対する意見・要望が多数寄せられ、これに対処するための通行誘導員の配置などでコストが嵩んできた為のようだ。 主催者が配布している、お願い事項が書かれたチラシには「横に広がって歩かないこと。交通ルールを守りましょう。赤信号は止まりましょう。自転車・歩行者がいるときは道をあけて下さい。」などなど、小学生並みのルールが羅列されているから、参加者のマナーの悪さ(それが一部の参加者であるにせよ)は推して図るべし。困ったものです・・・・。参考:沿線ウォーキングに纏わるその後の話 |
今回のコースの見どころの一つに挙がっているのが「幻の山手急行計画」。 「東京山手急行電鉄」は、大正15年(1926)に設立された鉄道事業者である。この鉄道敷設の構想はかなり壮大なもので、現在の山手線の外側を環状に巡らせる路線ルート。主な通過駅は(現在の駅でいうと)、大井町駅~雪が谷大塚駅付近~自由が丘駅~駒沢駅~梅ヶ丘駅~明大前駅~中野駅~新井薬師前駅~江古田駅~下板橋駅~板橋駅~田端駅~北千住駅~曳舟駅~大島駅~南砂町駅~東陽町駅、となっている。 この計画は、世界恐慌などの影響でとん挫したが、その名残りが井の頭線明大前駅付近の橋脚にあるという。 |
今回のウォーキングルートは、桜上水駅を出て甲州街道を西に向かい、その後環八を高井戸方面に向かう。 その後は暫く神田川沿いを散策する。 写真は神田川に架かる塚山橋。川沿いに塚山公園がある。 |
井の頭線と、(その上を通る)玉川上水が交差する水道橋の下の部分に、ちょうど2線分の空洞がある。この2線分の空洞こそ、ここに山手急行線を通す予定であったことの証しだそうだ。 「山手急行の原型となる計画が出現したのは、震災前の大正10年(1921)のこと。長井益太郎を総代とする東京電気鉄道発起人会が、大井町~駒沢~板橋~千住~洲崎(現在の東陽町付近)間42.2Kmの鉄道免許を申請したのが始まりとなる。 (中略) 明大前駅の北側にある旧玉川上水の水道橋も見に行く。やはりここも4線分のスペースが確保されていて、東側が2線分空洞になっている。ここに山手急行が通る予定であったのだろう」 (森口誠之著「鉄道未成線を歩く」、京王開業100周年記念ウォーキングのパンフレットより) |
代田橋を過ぎ、玉川上水緑道を歩く。 |
「笹塚観音通り商店街」の名前の由来となっている笹塚観音。 京王線の歴史は、大正2年(1913)京王電気軌道が笹塚駅~調布駅で開業したことからはじまる。 (最終回のゴールが笹塚駅になっているのは、偶然ではなく、主催者の意図もあったのであろう) |
イベント形式のウォーキングは中止になったが、今後は(少なくとも今期予定分については)予定コースの「沿線散策マップ」を提供していくそうだ。 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません