自動車ハッキング
走行中の自動車を遠隔操作で乗っ取るという実験が米国で行われた。この実験の模様がネットに公開された直後、米国では自動車大手が大規模リコールに踏み切ったという。 インターネットに繋がった自動車や制御機器などが、遠隔操作で乗っ取られるリスクは以前から度々報じられてきた。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「情報セキュリティ 10大脅威2015」の「注目すべき課題や懸念」には次の記載がある。 約2年前の2013年8月には車載ネットワークCAN(Controller Area Network)に対するなりすまし攻撃の実証実験が行われている。これはCANを流れる情報を解析して、その通信になりすますことで攻撃を行うものである。具体的には、CANに直接接続した状態で任意のコードを送信した場合、速度計や走行距離計等の計器類を操作すること、及び運転アシスト機能の誤操作を引き起こすことが可能だったという。但し、このときの実験を紹介している記事では、リモート接続による攻撃は不可能だとしている。 自動車と似た状況にあるのが工場の制御システムや医療機器である。 「医療データのデジタル解析や電子カルテ等の導入によって、医療機器にも様々なソフトウェアや通信が使われるようになってきている。今後更なる高機能化やネットワーク化によって、予防や健康促進を含めた医療技術の利便性が向上していくと予測される。 モノのインターネットにはセキュリティ上の課題も多い。特に人命にかかわるモノには入念なテスト(およびテスト技術の向上など)が必要である。 |
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2015/10/15追記 自動車の自動運転の実用化に向け、政府が法整備に乗り出すことが報じられている。(2015/10/15日経新聞デジタル版) 「警察庁は、ドライバーを必要とせずハンドルもない自動運転車が事故を起こした場合の責任の所在などについて法的検討を始める。 各メーカーが公道で自動運転車の実証実験が幅広くできるよう来年度中に指針も作成する。実験データを分析し、2020年をめどに法整備を目指す」 自動運転車が事故を起こしたときを想定するというのがいささか不気味に聞こえる。しかし、最近は人間が運転する車が人の列に飛び込むといった事故をたびたびニュースで見聞きするから、自動運転の方がかえって安全ということもあり得る。 自動運転車が事故を起こさぬよう、万が一事故が起きてもフェールセーフに動作するよう、さらにはハッキング対策も含め、メーカーは設計とテストをしかりやって欲しいと思う。 |
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